スウェーデンの寛容性とやさしさ、そしてLGBT+:「ぼくが小さなプライド・パレード」を読みました

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スウェーデンに関する新刊。LGBT+についての本だけど、スウェーデンの社会の寛容性、やさしさの伝わる本を紹介します。

このレビューを書く私は、LGBT+には属していない、この本でいうと「マジョリティ」の人だと思います。
LGBT+に関する知識はあまりなく、スウェーデンが好きだからという理由で読みはじめた感じ。

スウェーデンのLGBT+の今と歴史を紐解く本

「ぼくが小さなプライド・パレード」、ちょっと不思議でひっかかるタイトル。「ぼくの小さなプライド・パレード」ではなくて?
本を最後まで読むと、印象的な体験談とともに、この意味がわかる。

プライド・パレード…レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)文化を讃えるイベント

北欧!自由気ままに子連れ旅」の中で描いた、スウェーデン・ストックホルムの「プライド・パレード」の様子

ジェンダーは男性・女性という伝統的な分け方ではなく、スペクトラム(グラデーション)になっている

自分の理解のためにノートを作ってみたけど、合っているかどうかはわからないので、
詳細は専門書を読んでね!

LGBT+先進国・スウェーデンの教科書的な本

ストックホルムに住むLGBT+の20代の著者が書いていて、現在のスウェーデンの状況が肌感覚でわかる本。
また、LGBT+需要の歴史や文化的・政治的背景にも言及されているので、
まるで教科書を読んでいるように俯瞰的でわかりやすくなっている印象。

若者や高齢者のLGBT+当事者たちの素直な感想や分析も載っているので、教科書的なだけでなく現実的な感じもします。

証言している人は、高齢者、若者(様々なジェンダーを持つ)、LGBT+の子供の親など。多様な視点から語られます。

75歳のゲイの方の証言が、心に刺さる

著者が若い都会出身の方で、その体験談や考えがネイティブ・LGBT+世代的な世界観であるこの本に
より深みを与えているのが、「苦難の歴史を歩んできた高齢者」の証言。
今の日本でもどことなく残っているような差別、偏見にぶつかった苦難の歴史を感じることができます。

同性愛の感覚が「普通」に戻るよう、病院で「治療」を受けさせたほうがいい。と言われました

この証言は衝撃的。

マイノリティ×マイノリティは、強烈な個性

これは個人的な読後の印象。
表紙の絵の中に「ムスリムの男性二人が子供をだっこしている」絵があるんだけど、それに強烈に惹かれた。
マジョリティに属する自分にとって、彼らの「ふつう」は私にとってめちゃくちゃユニークで面白いものじゃないかと思う。
そしてそれが「ふつう」として受容される社会って、めちゃくちゃ面白いんじゃないか。

コロナ禍の時代において、遺伝子的にもライフスタイル的にも「画一化」は生存するのに危険だという感想を持った。

いろんな「ふつう」があれば、ある遺伝子や業種、ライフスタイルがうまくいかなくなっても、
ほかの人の「ふつう」でカバーできるかもしれない。

LGBT+というマイノリティの方が当たり前の権利を得ることを訴えるということは、
いろんなマイノリティの方が権利を得る社会を作っていることでもある。

LGBT+内でもマジョリティ(例えば、ステレオタイプな白人のゲイ男性)とマイノリティ(身体的な障害を持っている人や、高齢者、移民、インターセクシュアルな人など)が存在しているっていう視点は目からうろこでした。

 

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